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え、え、え、やっぱりまともな感想書けそうにない。
今回は余裕をもって観れたのでちゃんと泣けました。


というかカヲルのラストシーンの顔をちゃんと見直せたからもういいかな、駄目だけど。


ところで今日バイトの先輩方とカラオケに行ったのですが、ヒットソングメドレーを先輩が入れまくって、その中の2007年9月~12月のヒットソングメドレーが流れた時にぼんやりと二年前のヒットソングなんて覚えてないなぁとか思っていたら、でいぶれいくすべるが流れて、先輩みんな「ラルクは聞かないなぁ…」とか言っているところに突如テンションの上がる私なのであった。

あーーーあーーーーあーーーー2007年って、超リアルタイムの時じゃないかーーーと思いつつサビを歌わせて頂きました。


2007年って聞くと随分前のことのように思えますが、記憶の中では全然前じゃないんだよね。


じゃあエヴァはどうなるんだよって感じなんですけれど。



それで昨日映画見終わった勢いで書き上げたカヲシンがあるんですが、まだまだサイトいじれそうにないので、とりあえずまたこっち利用します。



タイトルは最近好きなミュージカルの作品中の曲のフレーズから。












求められたことに、ひどく安心している。
気持ちが高揚する。
胸の高鳴りが自分でもわかるほどに波打っている。
エヴァに乗ることだけが僕の価値ではなかった、そういう安堵。
だけれどそれはあまりにも雲を掴むような気分で、霧を吸い込んでみようとするような、虚無的な感情。
現実感がなく、何度も半信半疑になっては、結局のところ喜んだ。

「好きだよ」

それを初めて彼から聞いたとき、なんてシンプルな言葉なのだろうと思った。
なんてシンプルで、真っ直ぐな言葉なのか。
彼がそれを口にすると、それはまるで本来の意味とは別の、全く違った言葉のように聞こえる。
彼が口にした言葉はいつも何かの詩の断片的なもののように感じた。
なんだろう、好きだと言われているのにまるでこの世の全てに認められ、全ての疎ましい事から解放されたかのような。

「君は誰よりも愛されるべき子供で、誰からも慕われるべき子供だ」

それが君の、生まれ持った運命だ。
そう、カヲル君はそう僕に言い聞かせた。
いつもそうだ、カヲルくんはそうやって、僕を甘やかすようなことを言う。
まやかしのような事を言う。
僕はその度にまるで夢の中にいるような気分になれた。
彼の綺麗な指が、静かに動いて、僕の手に触れる。
カヲル君の手はいつも冷たいものだった、その手に触れられる度に何も考えられなくなって、次にもう一つの手が僕の輪郭をなぞっていくように触れてきた時は、僕はただ驚いてカヲル君を凝視した。
彼は輪郭をなぞっていく指先を見つめていたけれど、やがて僕の目に視線を移すと、ふわりとひどく穏やかに微笑む。
なんで、なんで男同士なのに、これはカヲル君の魅力なんだろうか、カヲル君の瞳にはひどく引き寄せられるものがある。
このままだとどうにかしてしまいそうだったので、話を逸らそうとする為に口を開いた。

「……ぼ、僕は、人に好きだなんて言われたこと……い、一度もないよ…!」

「そんな事関係ないよ」

だけれど現実は僕を突き放すように僕の中で記憶を蘇らせる。
そうだ、いつだって僕は他人と親密になったことなどないのだから。
僕を大切にしてくれていたであろう母さんの事ですら、僕の記憶の奥深くに閉じ込められ、それを出す鍵が見つからないから微かにしか思い出すことができない。
そんな僕が、どうしてこんな優しい、カヲル君に…。

「シンジ君の心臓の音が聞こえる……」

唐突に、そっと、カヲル君は僕の顔に触れていた手を離し、僕の胸に耳を押し当てた。
カヲル君の香りが、一瞬鼻を掠める。
要するに、カヲル君の顔が僕の胸の上にあって、あまりの事に僕は言葉を失って、呼吸の仕方を忘れてしまうぐらい緊張してしまう。

「ち、ちち近いって……カヲル君……カヲル君ってば…!」

離そうとして手を出そうとすると、彼は僕に抱き付いて離れてくれない。

「君は僕が嫌いかい?」

悲しげなものも含まれていたかもしれない、僕から離れるのを惜しむようにカヲル君は僕に問いかける。
そんな事言われたら、何も返せなくなるのに。

「そんなわけ…っ」

でも、好きという意味合いが違うということを否定することもできなかった。
だったら僕は何だ、カヲル君をそういう意味で好き、なのかな。
ヘンだ、何だか胸の奥が嫌に熱いし、カヲル君の身体が近くてさっきからずっとどきどきが止まらないし、これってただ同じ男の子に抱き締められても、こうは感じないはずだ。
じゃあ結局そういう意味なんじゃないか。
気づいたところで、何も嫌だとは感じなかった。
寧ろ、嬉しいような気がする、僕もカヲル君が好きなのならば、それって両想いって事だ、なんて素敵なことなんだろう。
…………でも、この僕が?

「僕は君という存在が好きで好きで仕方ないんだ。君とならどうなったっていいよ。…寧ろ僕はそれを望む」

カヲル君が不意に僕から離れて、真っ直ぐに見つめながら僕を惑わすような言葉を続ける。
彼の声はいつだって甘く囁くような優しい声だ、そんな声で、僕を、僕なんかを。

「…こんな僕が他人から好きだと言われるなんて…」

僕は俯いてしまう。
僕もきっとそういう意味でカヲル君が好きだ。
でも、こうしてカヲル君から好きだと言われると、求められると、何だかとても苦しい。
嬉しいはずなのに、苦しい。

「誰かに愛されるのが怖いのかい?」

「……愛されても、愛する仕方がわからない。…求められても、どう返したらいいのかわからない」

俯いたまま、カヲル君を見れないまま、泣きそうな声で、呟いた。
そんな僕の顔に、カヲル君の手が触れる。

「大丈夫だよ」

顔を上げられて、次の瞬間、カヲル君の唇が僕の唇と重なった。
そっと押し当てるように、重ねるだけの、優しいキスだった。
僕はいきなりの事に目を閉じる事も忘れて、カヲル君をただただ見つめている。

「だったらこれから知ればいいじゃないか。…それに、僕はシンジ君さえいてくれればいいんだ。…君に求めるものはただ一つ、君の僕を好きだと言う気持ちただ一つさ」

カヲル君の言っている事は正しい。
そうだ、これから、カヲル君を通して知っていけばいいじゃないか。
それに彼なら、なんだって知っているような、なんだって教えてくれるような気がした。
どんな僕の不安もすぐに拭って、笑いかけてくれるような気がした。
ああ、なんだ、人を愛するって、そういうことなんだ。

「……僕もカヲル君が好きだよ。…こんな僕でも、人をちゃんと愛せるのかな…」

それは信頼に繋がって、同時に苦しみも辛さも分かち合う事に繋がる。
そう気づいた僕は、何の躊躇もなくカヲル君に想いを伝える。
口に出してしまえばなんて気持ちがいいんだろう。

「いいかい、シンジ君。これから僕達は互いに愛し合うことを知るんだ」

優しく微笑みかけてくれる。
僕はこの笑顔に、これからも、いつも、きっと。


救われるんだろう。


それと同時に。
僕の笑顔でカヲル君を救えたなら、これ以上の幸せはないだろう。
だから僕も微笑んむんだ。

「…改めてよろしくね、カヲル君」

この時の事はきっといつになっても忘れない、大切な思い出として僕の中にいつまでも残るだろう。


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